科学史学会で「カミオカンデ以前」について研究発表

日本科学史学会第69回年会にて、今回初めて設定されたオンデマンド枠での研究発表を行いました。

報告タイトルは「カミオカンデ以前:小柴昌俊と非加速器実験の起源」です。カミオカンデについて、私は国立科学博物館での「総合研究」プロジェクトの一環で、現存する関係資料の調査を行ってきたという背景があります。そうした中で、カミオカンデが作られた経緯をもう少し自分なりに理解する必要を以前から感じていて、今回の発表に至りました。

この報告では、カミオカンデの原型にあたる最初のアイディアが研究会で発表される(1979年)までを扱っています。この範囲(カミオカンデ「以前」)だけでも詰め切れていないことが沢山あるのですが、当面はむしろこの続き、つまりカミオカンデが実際に稼働し始めるまでのところを追っていくほうが先決かと思っているところです。

なおこのテーマは、科学史の修士論文や博士論文に十分になりうるだけの材料と意義があると私は思っています。ぜひ取り組んでみたいという人は連絡してください。