新たに科研費の研究課題が始まりました

この4月から、新たに科研費の研究課題が始まりました。「戦後日本の流体力学を事例とした計算科学的方法の普及過程についての科学史研究」(基盤B)です。研究の概要を以下に記します(科研費データベースでもそのうち公開されると思います)。

コンピューター・シミュレーションに代表される計算科学的方法の普及過程を、戦後日本の流体力学を事例として考察する。具体的には、1951年から毎年開催されている理論応用力学講演会(NCTAM)の発表論文の通時的分析を通じて理論・計算・実験の各方法が用いられた割合とそれらの関係性の変化を考察するとともに、戦後日本を代表する理論流体物理学者であった今井功(1914-2004)の科学思想を個人文書も用いて解明する。このように、分野全体についての量的分析(マクロ)と人物についての思想史的考察(ミクロ)を組み合わせ、「科学の方法」という観点から現代科学史にアプローチする。

研究期間は4年間で、流体物理が専門の永田裕作先生(日本文理大学)をはじめとする方々との共同研究になります。本日、第1回のオンラインミーティングを開いて、今年度の進め方を確認・相談しました。

私自身が科研費課題の代表を務めるのは、「コンピュータ・シミュレーションの科学技術史」を掲げた2014~2017年度の若手B以来となります。せっかく採択していただいたからにはよい成果を出せるよう、努力していく所存です。