2022年度春夏学期の担当授業

新年度につき、今期の授業を簡単に紹介します。春夏学期は、大学院の【演習】【現代思想A】【博物館概論】【博物館資料保存論】のほか、学部と大学院でほぼ同じ内容を提供するリレー講義【人文学入門(哲学・思想)】(大学院では【人文学特論A】)を担当します。

【演習】

特定の主題を扱った専門書の講読に、学術誌に載った書評の紹介と、参加者各自の研究発表を組み合わせます。講読では、図像に関する科学史として、橋本毅彦『描かれた技術 科学のかたち』と、P・ギャリソン&L・ダストン『客観性』を取り上げます。副ゼミ(第二演習)としての参加も歓迎です。

【現代思想A】

「現代思想」という名前の講義科目ですが、内容としては科学論です。具体的なテーマとして気候変動(地球温暖化)を取り上げ、主として科学史と科学哲学の観点から、受講者とともに考えていきます。文献としては、ワート『温暖化の「発見」とは何か』などを読んでいくことにしています。

【博物館概論】

学芸員資格取得プログラムの導入科目として、博物館の機能や種類、法規や歴史といった基本的知識を学びます。ただし、単に教科書的な知識を得るだけではなくて、今日の、特に日本における博物館とは何なのか、何であるべきなのかを受講生の皆さんと考えていく場にしたいと思っています。

【博物館資料保存論】

学芸員資格取得に必要な専門科目の一つです。温湿度など資料の保存のための基礎知識に加えて、文化財の分析や修復、災害時の資料レスキューといった話題も扱います。全体としてはかなり自然科学よりの内容だと思います。なお、大学院修了のための単位には算入できません。

【人文学入門(哲学・思想)/人文学特論A】

主に学部1年生を念頭に置いたリレー講義で、今期のテーマは「数と量をめぐる人文学」です。有賀担当分(計5回)では、「ゼロの発見」、統計のはじまり、メートル法の歴史、科学における計測、基準値と客観性、といったトピックを扱います。オンデマンド形式での動画配信となります。

以上の言語社会研究科での担当授業は、一橋大学の他研究科の院生も履修できます。興味のある人はぜひどうぞ。
※単位が各研究科の修了要件に算入できるかどうかは個別に確認が必要です