指導方針

Instruction Policy

大学院の演習は、科学技術史(科学史または技術史)の専門家を育てることを第一の目的としています。ですが、「専門家」とは、大学でその分野の教育・研究を行う人とは限りません。ここ言語社会研究科でいえば、哲学、文学、芸術などを専攻しつつ、それぞれの立場から科学技術について深く考察できる人も立派な専門家だと思います。さらにいえば、大学に所属している必要すらありません。いわゆる「社会人」として仕事をしながら、科学技術史を探究し続ける選択肢もあるはずです。

演習の授業では、以上のようなことを念頭に置きながら、科学技術史の研究動向や方法論を幅広く取り上げます。具体的には、以下のことに重点を置きます:

  1. 日本語および英語で書かれた科学技術史の論文・書籍を批判的に読む能力を身につけること
  2. 科学技術史の論文を日本語で執筆し、学会などで口頭発表をおこなう能力を身につけること
  3. 国内および海外(特に英語圏)における科学技術史の研究動向を理解すること

題材はあくまでも科学技術史ですが、ここでの訓練や知見がほかの研究分野に応用できることもあるでしょう。第二演習(副ゼミ)としての参加も歓迎します。

このほか、各自の研究テーマに応じて必要となる一次資料の読解や、論文執筆・学会発表(日本語または英語)などについては、演習の授業と別に、自ら主体的に取り組んでいくことが不可欠です。これをサポートするため、修士論文や博士論文の指導を受ける院生に対しては、個別面談の場を定期的に設けます。