2022年10月27日

演習(大学院ゼミ)の記録

【書評紹介】

※なし

【論文分析】

Thomas R. Wellock, “Engineering Uncertainty and Bureaucratic Crisis at the Atomic Energy Commission, 1964–1973,” Technology and Culture 53 (2012): 846-884.

AEC(アメリカ原子力委員会)が原子炉開発を推進する部局と安全評価を行う原子力規制委員会に解体した事象を、政治力学だけでなく技術的観点からも検討した論文です。手稿等の豊富な一次資料に加えて、多くの関係者へのインタビュー結果が用いられていたことが印象的でした。開発初期には情報交換の面で有効だったAECの二元構造が、技術的危機(実際に実験ができず、事故時の挙動が科学的に確定できないこと)によって機能しなくなる、という説明は明解でした。科学技術政策決定におけるコンピューターシミュレーション利用の初期の事例としても面白いのではないかと思います。【猪鼻】

【研究発表】

「博論第2章構想」

今回はテーマも分量的にも博論の一章分(むしろ博論全体のテーマにも相当する?)を想定した新規の分析内容について報告しました。まだこのテーマで報告する別の機会が控えているので具体的な内容の言及は避けますが、ゼミ内では分析時期や事項の背景として基本的な見解の確認、終了後に個別で分析内容の詳細な点までじっくりご質問・ご意見お聴きできました。次に向けてアップデートするヒントを多くいただき、ありがとうございました。【菱木】